アデノウイルス感染症の一つで、発熱、咽頭炎、結膜炎を主症状とする急性熱性疾患。病原体はアデノウイルスで、とくにその3型と7型によるものが多い。プールの水を媒体として広がるところからプール熱ともよばれる。潜伏期は6~9日で、とくに小児に多く、急に38~40℃の熱が出て4~5日続く。目がごろごろして痛み、目やにがみられ、赤くなって涙が出る。のども赤くなって痛み、ときに軽い腹痛、嘔吐(おうと)、下痢、関節痛、筋肉痛などもみられる。約1週間で治癒し、予後は良好である。有効な抗ウイルス剤がなく、かぜと同様に暖かくして安静にし、対症療法を行う。病原は患者の気道、便、結膜(目やに)から排泄(はいせつ)されるが、症状がなくなってからでもかなり長期間排泄されるため、プールの水は汚染されやすい。流行時にはプールの使用禁止、学級閉鎖、休校などの措置をとり、患者の新発生を防ぐ。また、家族間の感染にも留意し、タオルなどは患者と別にして熱湯消毒を行う。日常的には水泳後の洗眼、うがいなどのほか、プールのクロール消毒の実施を心がける。
[柳下徳雄]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…病変が角膜に及ぶと,角膜上皮下に小さな斑状の混濁が多発し,長期にわたり軽い視力障害を伴う。咽頭結膜熱pharyngo‐conjunctival feverは,同じアデノウイルスの3型によるもので,学校やプールなどで流行性に発症するため〈プール熱〉とも呼ばれる。5~6日の潜伏期の後に風邪の症状とともに発症する。…
…アデノウイルスには1~33型までの型があるが,このなかで8型によるものを流行性角結膜炎epidemic kerato‐conjunctivitis(EKCと略称)と称し,狭義の〈はやり目〉とする。3型によるものは咽頭結膜熱pharyngo‐conjunctival fever(PCFと略称)と呼ばれるが,プールで伝染することも多いことから〈プール熱〉と俗称される。そのほか1,7,11,19型でも類似の症状を呈し,臨床的には鑑別困難である。…
…アデノウイルスの3,7,14型などによる感染症。おもに夏,プールでうつる病気であることからプール熱と呼ばれるが,医学上は咽頭結膜熱pharyngoconjunctival feverという。学童がかかることが多い。…
※「咽頭結膜熱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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