ヘマトキシリン(英語表記)hematoxylin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘマトキシリン」の意味・わかりやすい解説

ヘマトキシリン
hematoxylin

マメ科のロッグウッドを細断し,抽出した色素で,熱湯,アルコール,エーテルなどによく溶ける。ヘマトキシリン自体には染色能力がないが,酸化されてヘマテインとなり,これが陶土類 (アルミニウム) のような塩基結合して,初めて染色性を獲得する。現在,最も広く行われている組織切片染色法に使われている色素。一般にエオジンとの重染色法に使用され,細胞核を染色させるが,それ以外にも染色液の種類によって糸球体,骨格筋の横紋,神経線維髄鞘などの染色にも利用できる。どの場合も目的物は青藍色ないし濃紺色もしくは黒色に染め出される。

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