日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベネト」の意味・わかりやすい解説
ベネト
べねと
Veneto
イタリア北東部の州。面積1万8368平方キロメートル、人口449万0586(2001国勢調査速報値)。ベネチア、パドバ、ベローナ、ビチェンツァ、トレビーゾ、ロビーゴ、ベッルーノの7県からなり、州都はベネチア。カーニック・アルプス山脈(北端)、タリアメント川(東端)、ポー川(南端)、ガルダ湖(西端)に囲まれる。山地がほぼ全域を占める北部のベッルーノ県を除けば、ベネト平野が圧倒的部分を占める。1919年以降、化学工業を主軸として発達したポルト・マルゲーラの工業地帯を筆頭に、トレビーゾ県の家庭電化製品の生産、ビチェンツァやスキオにおける毛織物工業、ロビーゴ県の製糖業などの工業活動があげられる。他方、農業も盛んで、とくにトウモロコシ、エンドウ、リンゴ、ニンジン、ブドウなどは全国生産のなかで高い比重を占める。ベネチアやベローナなどの観光都市のほか、ドロミーティ山地、ベネチアのラグーナ(潟湖(せきこ))、ポー川のデルタ、ガルダ湖といった自然が生み出した多様な景勝がみられる。
[堺 憲一]