ベルリヒンゲン(読み)べるりひんげん(英語表記)Götz von Berlichingen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルリヒンゲン」の意味・わかりやすい解説

ベルリヒンゲン
Berlichingen, Götz(Gottfried) von

[生]1480. ヤークストハウゼン
[没]1562.7.23. ホルンベルク
宗教改革時代の没落騎士ドイツ農民戦争指導者の一人。ドイツ帝国騎士の身分に生れ,戦闘片腕を失い,鉄の義手をはめていたので「鉄の腕のゲッツ」と呼ばれ,激動の時代を生きながら長寿を保った。略奪的な戦闘を各地で挑むとともにドイツ皇帝のためフランスとも戦った。 1525年ドイツ農民戦争にも加わり,オーデンワルトに農民勢を結集させた。 28年シュワーベン同盟に捕えられ,30年までアウクスブルクで獄中生活をおくった。自叙伝を残しており,伝説的人物として,ドイツのロビン・フッドといわれ,ゲーテも彼を題材とした戯曲を書いている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルリヒンゲン」の意味・わかりやすい解説

ベルリヒンゲン
べるりひんげん
Götz von Berlichingen
(1480―1562)

ドイツ宗教改革期の騎士。ウュルテンベルクのヤークトハウゼン城に生まれる。若くして盗賊騎士の一団を組織し、各地で商人を襲ったり、封建貴族間の争いに介入したり、身代金目当てに領主を監禁したりした。1524年農民戦争が起こると、オーデンワルト農民団に加わり、その指導者に推されたが、5月末ケーニヒスホーフェンの決戦前夜、ひそかに逃亡した。農民団に加わった罪を問われて28~30年アウクスブルクに禁錮されたが、釈放後、トルコ軍、フランス軍との戦いに参加し、ホルンベルク城で没した。ゲーテの史劇『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』(1773)は、自由奔放、無頼な人物像を鮮やかに描き出している。

[瀬原義生]

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