ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベン・ジェルーン」の意味・わかりやすい解説
ベン・ジェルーン
Ben Jelloun,Tahar
モロッコ生れのフランス語作家。労働運動の弾圧で 1971年にフランスに移住,哲学を学び,社会心理学博士。『沈黙の帷子をまとった人々』 Hommes sous linceul de silence (1971) で詩人として出発,『ハルーダ』 Harrouda (73) から小説を書きはじめる。言葉なき移民の「代書人」として政治・社会問題を取上げる一方,エロスと幻想に満ちた作風で,『砂の子供』L'Enfant de sable (85) では男装の娘の奇談をアラブの口承文芸のように語り,その続編『聖なる夜』 La Nuit sacrée (87) でゴンクール賞を受賞した。
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