ベンジジン(データノート)
べんじじんでーたのーと
ベンジジン

分子式 C12H12N2
分子量 184.2
融点 127.5~128℃
沸点 400~401℃/740mmHg
溶解度 1/2447(水12℃)
2/213(水100℃)
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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ベンジジン
benzidine

4,4′-ジアミノビフェニルともいう。無色の鱗片状結晶。3型が存在し,最安定型は融点128℃,沸点400~401℃(740mmHg)。1845年にロシアのジーニンN.N.Zininがはじめて合成し,62年にドイツのフィティヒR.Fittigがジアミノビフェニル構造であることを証明し,74年に同じくドイツのシュルツG.Schultzが2個のアミノ基がともにパラ位にあることを示して構造が確定した。ニトロベンゼンを還元してヒドラゾベンゼンにしたのち,これに塩酸または硫酸を作用させてベンジジン転位を起こすことによって作られる。

発癌性があるため,現在では使用禁止となっているが,かつては,染料合成における重要な中間体として,また有機化合物の合成原料,無機イオンの分析試薬などとして使われた。
執筆者:小川 桂一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ベンジジン
ベンジジン
benzidine
biphenyl-4,4′-diamine.C12H12N2(184.24).ヒドラゾベンゼンを希硫酸と加熱して,ベンジジン転位させてつくられる.
結晶形は3種類あるが,もっとも安定なものは融点128 ℃,沸点400 ℃(98.6 kPa).直接染料の重要な中間物であったが,発がん性があることがわかり,製造されなくなった.分析試薬として多くの金属および非金属イオンの定性,定量に用いられる.[CAS 92-87-5]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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ベンジジン
benzidine
4,4′- ジアミノビフェニルのこと。化学式 H2NC6H4C6H4NH2 。無色の結晶。融点 128℃ (無水物) 。水に難溶。普通は塩酸塩として利用される。過酸化水素の検出,硫酸イオン SO42- の定量試薬として用いられる。染料中間体として重要なものであったが,発癌性が問題となってからは使われていない。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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