ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペラム」の意味・わかりやすい解説
ペラム
Pelham, Henry
[没]1754.3.6. ロンドン
イギリスの政治家。ニューカッスル (公)の弟。 1717年下院議員となり,R.ウォルポールの知遇を受け,21年大蔵総裁,24年陸軍長官,30年軍事支払総監を歴任。ウォルポールの没落後首相となり (1743~54) ,国王ジョージ2世の全面的信頼を受けていた国務相 J.カートレットを解任し,国王から嫌われていたピット (大)を総辞職も辞さないという決意のもとに軍事支払総監に登用,彼の登用により,政府は下院で多数派を確保することができた。オーストリア継承戦争,四十五年の反乱鎮圧を指導し,戦後の平和維持と国家財政の改善 (陸海軍の定員の削減,外国君主への援助金の削減,地租の低減など) に尽力。巧みな議会操縦によってホイッグ党の政権を維持したが,同時に議席買収などの政治腐敗を進ませた。
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