ニューカッスル(読み)にゅーかっする(英語表記)Newcastle

翻訳|Newcastle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニューカッスル」の意味・わかりやすい解説

ニューカッスル
にゅーかっする
Newcastle

オーストラリア、ニュー・サウス・ウェールズ州東岸の都市。州都シドニーの北170キロメートル(道路距離)にある。シドニーに次ぐ同州第二の都市で、狭義のニューカッスル市の人口13万7307、都市圏人口47万0610(2001)。都市圏にはメートランド、炭鉱都市セスノックCessnockなどの都市を含む。ハンター川の河口に位置し、ハンター地方の農牧地帯および炭田を控えた中心都市。同地方の石炭資源(年産約2600万トン)を背景に、鉄鋼業(1915開始)を中心とする同国の代表的な重化学工業都市として知られている。市内のコクル・クリークに鉛・亜鉛精錬所、都市圏内のカリ・カリにアルミニウム精錬所がある。同国有数の港湾をもち、石炭、小麦、鉄鋼製品を輸出する。炭田の存在は1791年から知られ、1801年に流刑植民地として入植されたが、まもなく放棄された。1804年ふたたび開かれ、石炭産地として発展した。1885年市制施行。ニューカッスル大学(1965創立)がある。地名イギリス本国のニューカッスル・アポン・タインにちなむ。

[谷内 達]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニューカッスル」の意味・わかりやすい解説

ニューカッスル(公)
ニューカッスル[こう]
Newcastle, William Cavendish, Duke of

[生]1593頃
[没]1676.12.25. ウェルベック
イギリスの貴族軍人。ケンブリッジ大学セントジョンズ・カレッジに学ぶ。1628年伯爵。清教徒革命に際し,チャールズ1世の国王軍(→騎士党指揮官として北部に転戦して議会軍(→円頂党)と抗戦。たびたび議会軍を破り,ヨークを奪回するなど奮闘したが,1644年マーストンムーアの戦いで敗れ,海外に亡命王政復古チャールズ2世とともに帰国。革命中私財を国王側に投じた功績により 1665年公爵に叙された。晩年詩作に親しむとともに,文学者や思想家の後援者となった。

ニューカッスル(公)
ニューカッスル[こう]
Newcastle, Thomas Pelham-Holles, 1st Duke of

[生]1693.7.21.
[没]1768.11.17. ロンドン
イギリスの政治家。 1714年国王ジョージ1世を登極させた功によりニューカッスル公となり,24年 R.ウォルポール政権の国務相就任。ウォルポールの跡を継いだ弟の H.ペラム政権では,外交問題を担当。 54年ペラムの死後,その跡を継いで首相となったが,七年戦争緒戦の失敗で 56年辞職。8ヵ月後ピット (大)を国務相にして再び首相となり,戦争勝利へ導いた。 62年ジョージ3世の寵臣ビュート (伯)地位を奪われた。

ニューカッスル
Newcastle

南アフリカ共和国東部,クワズールー・ナタール州北西部の町。ダーバン北西約 240km,ドラケンスベルク山脈東麓のバファロー川(トゥゲラ川支流)上流域に位置。炭鉱地帯の中心地で,鉄鋼業なども立地。羊毛,穀物などの集散地でもある。1880~81年のトランスバール独立戦争時にはイギリス軍の基地となり,その終結条約の調印が行なわれた地。人口 5万7572(2001)。

ニューカッスル
Newcastle

オーストラリア,ニューサウスウェールズ州東部にある港湾・工業都市。太平洋にのぞむハンター川の河口に位置する。シドニーに次ぐ商工業の中心地。付近に炭田を控え,後背地には肥沃なハンター河谷に恵まれ,石炭と農産物の積出港として発達した。石炭資源を利用した 1915年の製鉄所の建設を契機に,近代工業が発展。鉄鋼,造船を中心に機械,金属,織物,化学,肥料,ガラス,食品加工の各種工業が立地し,石炭,鉄鋼,小麦などを輸出する。ニューカッスル大学はじめ教会,文化施設がある。人口 42万 7703 (1991推計) 。

ニューカッスル
New Castle

アメリカ合衆国,ペンシルバニア州西部,ピッツバーグの北西約 70kmの都市。イギリスの工業都市にちなんで命名。付近に石炭,鉄鉱石,石灰岩の地下資源があり,工業的に重要な位置を占める。鉄鋼製品,陶器,セメント,ビール,化学薬品などを産する。人口2万 8334 (1990) 。

ニューカッスル
New Castle

アメリカ合衆国,インディアナ州東部,インディアナポリス北東約 70kmの都市。 1819年創設。商業の中心地。 1900年頃から自動車とピアノの製造が行われ,現在は自動車部品,鉄鋼製品などが生産される。機械工業も盛ん。人口1万 7753 (1990) 。

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