ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペートン」の意味・わかりやすい解説
ペートン
Paton, Alan
[没]1988.4.12. 南アフリカ共和国,ダーバン近郊
南アフリカ共和国の作家。伝記作家,政治評論家としても著名。ナタール大学卒業。学生時代から詩,戯曲,小説を書き始め,キリスト教運動にも参加。1925年から 10年間高等学校教師をしたのち,ヨハネスブルク近郊の黒人少年感化院に移り,1935~48年院長を務めた。第2次世界大戦後,スカンジナビア,イギリスなどを旅行,この間に執筆した『叫べ,わが愛する祖国よ』Cry, the Beloved Country(1948)をアメリカ合衆国で完成した。アパルトヘイト政策をとる国民党政権誕生の年,アメリカの黒人運動の台頭期と重なりミリオンセラーとなった。次いで少年感化院院長時代に深めた政治思想をもとに『ひれあししぎは遅すぎて』Too Late the Phalarope(1953)を発表,作家としての地位を確立した。1953年にはアパルトヘイトに反対する人々とともに非人種社会を目指して南アフリカ自由党を結成,のちに強制解散させられるまで総裁を務めた。ほかに,小説『ああ,それでも君たちの国は美しい』But Your Land Is Beautiful(1981),自伝『旅は続く』Journey Continued(1988)など。1960年フリーダム賞受賞。(→アフリカ文学,南アフリカ文学)
ペートン
Paton, William Andrew
[没]1991
アメリカ合衆国の会計学者。ミシガン大学卒業。1年ほどミネソタ大学で教えたが,その後ミシガン大学に戻り,初めは経済学を講じ,のち会計学に転じた。 1929年教授に就任。また会計関係の要職を歴任,アメリカ会計学界の最も有力な元老の一人だった。主著『会計理論』 Accounting Theory (1922) ,『会計学原論』 Essentials of Accounting (1938) ,『会社会計基準序説』 An Introduction to Corporate Accounting Standards (1940) ,『資産会計』 Asset Accounting (1952) 。
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