ホドグラフ(読み)ほどぐらふ(英語表記)hodograph

翻訳|hodograph

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホドグラフ」の意味・わかりやすい解説

ホドグラフ
ほどぐらふ
hodograph

物体運動位置ベクトル速度ベクトルによって表現される。この速度ベクトル起点を1点に固定した場合、速度ベクトルの先端が時間とともに描く曲線ホドグラフという。速さvの等速円運動を考える。位置ベクトルr1のときの速度ベクトルをv1、位置ベクトルr2のときの速度ベクトルをv2とする。これらのベクトルは円運動をなす。そこで、v1v2なるベクトルを1点O′に集める。こうすると、速度ベクトルはr変化とともに変化するが、それはやはり一つの円の上にある。点線で表す、この円がホドグラフである。同様に放物線のホドグラフは直線となる。

 物体が円を1周する時間も、ホドグラフの上を1周する時間も同じである。よって

となる。ここにαはvに垂直な加速度で、これよりαはv2/rとなり、これはよく知られた円運動の加速度である。

[大槻義彦]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホドグラフ」の意味・わかりやすい解説

ホドグラフ
hodograph

変動するベクトルを1つの原点を起点として書くとき,変動に伴ってベクトルの終点が描く曲線。質点の運動において,位置ベクトルのホドグラフは質点の経路を表わし,各点での接線がその点での速度の方向を与える。また速度ベクトルのホドグラフを描けば,その接線方向がその速度に対応する点での加速度の方向を与える。

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