ホランド鉱(読み)ほらんどこう(英語表記)hollandite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホランド鉱」の意味・わかりやすい解説

ホランド鉱
ほらんどこう
hollandite

バリウムを主成分として含む二酸化マンガン鉱物の一つ。ホランダイトともいう。その原子配列はしばしば超高圧条件下で生成される酸化物の原子配列と対応し、ホランド鉱型構造とよばれる。クリプトメレン鉱(厳密には単斜型クリプトメレン鉱)のバリウム置換体にほぼ相当する。バリウム鉱物を含む変成層状マンガン鉱床の酸化帯に産する。また広域変成岩中に発達するブラウン鉱を主とした鉱石からなる鉱床において、その母岩中の紅簾(こうれん)石を含む変成岩の少量成分をなす。これは長崎県長崎市戸根鉱山(閉山)にみられる。命名はイギリスの地質学者ホランドThomas Henry Holland(1868―1947)にちなむ。

加藤 昭 2018年10月19日]


ホランド鉱(データノート)
ほらんどこうでーたのーと

ホランド鉱
 英名    hollandite
 化学式   Ba(Mn4+,Mn2+)8O16
 少量成分  Fe3+,Pb,Sr,Na,K
 結晶系   単斜
 硬度    6
 比重    4.93
 色     黒,灰黒~銀灰
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    一方向に明瞭
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android