ブラウン鉱(読み)ぶらうんこう(その他表記)braunite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラウン鉱」の意味・わかりやすい解説

ブラウン鉱
ぶらうんこう
braunite

珪(けい)酸塩鉱物ないし酸化鉱物として分類される不透明鉱物。普通、粒状または塊状であるが、まれに立方体正八面体に近い正方複錐(ふくすい)の結晶形を示す。変成層状マンガン鉱床中にきわめて普通に産し、石英ばら輝石、紅簾(こうれん)石、赤鉄鉱などと共存する。また、熱水性マンガン鉱脈中にも産する。マンガンの鉱石として重要である。英名は、ドイツの鉱物学者ブラウンKammerath Braun(1790―1872)にちなんで命名された。

松原 聰]


ブラウン鉱(データノート)
ぶらうんこうでーたのーと

ブラウン鉱
 英名    braunite
 化学式   Mn2+Mn3+6SiO12
 少量成分  Ca,Fe,Ba
 結晶系   正方
 硬度    6~6.5
 比重    4.7~4.8
 色     黒
 光沢    亜金属
 条痕    黒
 劈開    一方向に明瞭
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のブラウン鉱の言及

【酸化マンガン】より

…α型とγ型の2変態がある。天然にはα型がブラウン鉱(Mn,Si)2O3(Mn:Si=7:1)として産する。α型はβ‐MnO2を空気中で650℃に加熱すると得られ,γ型はγ‐MnO(OH)を減圧下で長時間加熱,脱水して得られる。…

※「ブラウン鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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