日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボルチ」の意味・わかりやすい解説
ボルチ
ぼるち
Emily Greene Balch
(1867―1961)
アメリカの社会改革者、経済学者。法律家の娘としてボストンに生まれる。1889年ブリン・モア大学を卒業、パリ、ベルリンに留学し経済学を学んだ。1896年ウェルズリー大学の教員となり、1913年経済学と社会学の教授に昇格した。この間、女性参政権、人種差別反対、年少者労働の制限などの社会運動に参加した。平和問題にも関心をもち、1915年にはオランダのハーグで開かれた国際女性会議(後に、平和と自由のための女性国際連盟と改称)に出席し、重要な役割を果たした。第一次世界大戦へのアメリカ参戦に反対し、過激に運動したため、1918年にウェルズリー大学を解雇された。1919年から1922年まで、平和と自由のための女性国際連盟の書記を務めた。1934年にこの組織が財政危機にみまわれたときは無償で活動し、1936年に名誉会長となった。第一次世界大戦後は国際連盟で軍縮、航空の国際管理、薬物問題などのプロジェクトで活躍した。一方、ナチスの勢力が拡大することを心配し、第二次世界大戦ではアメリカの参戦を支持した。1946年に同じくアメリカの宗教家モットとともにノーベル平和賞を受賞した。
[編集部]