改訂新版 世界大百科事典 「ボロボロノキ」の意味・わかりやすい解説
ボロボロノキ
Schoepfia jasminodora Sieb.et Zucc.
高さ3~10mになるボロボロノキ科の落葉小高木。枝は屈曲が多く,節部がやや肥大する。新枝の多くは落葉期に落ちる。葉は長さ4~7cmの広卵形~長卵形,全縁,やや革質で,せまい翼のある短い葉柄をもち,互生する。花は淡黄白色,先が4裂した筒状の小花で,春,葉腋(ようえき)に生じた小さい花序に3~5花をつけ,芳香がある。果実は長さ約8mmの楕円形の石果で,赤色~紫黒色に熟する。九州,琉球,中国に分布する。枝がもろく,折れやすいのでボロボロノキという。
ボロボロノキ科Olacaceaeはビャクダン目に属し,世界の熱帯を中心に約25属250種がある。商業的に重要なものを含まないが,熱帯に広く分布するハマナツメモドキXimenia americana L.の果実は食べられ,種子油を料理用とすることがある。
執筆者:緒方 健
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報