ポッツォーリ(読み)ぽっつぉーり(英語表記)Pozzuoli

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポッツォーリ」の意味・わかりやすい解説

ポッツォーリ
ぽっつぉーり
Pozzuoli

イタリア南部、カンパニア州ナポリ県の工業都市。人口7万8758(2001国勢調査速報値)。ナポリ市西方14キロメートルに位置し、ナポリ湾に面する。東隣のバニョーリとともに、ナポリを中心とする臨海工業地帯一角を占め、製鉄、機械、造船、繊維、食品、化学などの工業が行われる。古代ローマ時代にはプテオリPuteoliとよばれ、拠点港として繁栄した。イスキア島への連絡港。周辺はカンピ・フレグレイCampi Flegreiとよばれる火山地域で、1538年の噴火で著名な新山モンテ・ヌオボ」が誕生した。多彩な噴気孔や温泉に富み、地震がよくおき、地盤も不安定。1982~84年に市内で有感地震が約2万回あり、地盤が約180センチメートル隆起、ビル崩壊などの被害も生じて市民約3万人が郊外に疎開した。1970~72年にも同様な異変がおきた。

[堺 憲一・諏訪 彰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポッツォーリ」の意味・わかりやすい解説

ポッツオーリ
Pozzuoli

イタリア南部,カンパーニア州ナポリ県,ナポリの西郊に位置する港湾都市。古代にはプテオリと呼ばれた。前 529年頃ギリシア人が植民し,ローマ人に占領され,地中海最大の港の一つにまで発展したが,中世略奪とたび重なる震災により衰退。産出する灰褐色火山灰はポッツオラーネと呼ばれ,良質のセメント材として広く用いられる。現在は漁業のほか豊かな農業地域を後背地にもつため食品加工業が盛ん。鉄鋼,機械生産も行われる。市内にはローマ時代の円形劇場セラピス神殿と呼ばれる市場跡などが残る。人口7万 5706 (1991推計) 。

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