マイコンと略称する。中央処理装置(CPU)の部分が1個のLSI(大規模集積回路)化されたものをマイクロプロセッサーといい,これを利用して作られた超小型コンピューターをいう。マイクロプロセッサーは,ワンチップCPUともいい,この種のLSI素子は大量生産が行われて安価になっているため,家電製品,乗用車,計測器などの機器やパーソナルコンピューター,日本語ワードプロセッサー,インテリジェント端末機などの心臓部として盛んに使われている。最初にマイクロプロセッサーが登場したのは1971年で,日本の電卓メーカーの依頼で,アメリカのインテル社が開発した4004型と呼ばれる素子である。これは一度に扱えるデータの幅がわずか4ビットの簡単なもので,1個のLSIに集積されたトランジスター数は2700個にすぎなかった。しかし,その後集積度が向上し,一度に8ビットのデータが処理できるZ80(トランジスター数8400個)が76年アメリカのザイログ社から発売された。なかでも注目すべき素子は,ワンチップマイコンと呼ばれるインテル社の8048(トランジスター数1万2400個)のようなLSIである。この種の素子では,簡単な中央処理装置のほかに,プログラムを入れるための読出し専用メモリー,可変データを入れるためのメモリーおよび外部とデータをやりとりするための入出力回路までもが,すべて1個のLSIの中に作られている。現在の汎用小型コンピューターのうち8ビット型のものではZ80,16ビット型のものではインテル社の8086(トランジスター数2万9000個),モトローラ社の68000(トランジスター数7万5000個)ないしは,それと同等のものが広く使われている。また,32ビット型としては上記の2種と互換性がある80386や68020が使われ始めている。
→コンピューター
執筆者:石田 晴久
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