翻訳|microprogram
コンピュータの命令の解読・実行を行う電子回路を制御するために用いられるプログラムをいう。現在のコンピュータの多くは、マイクロプロセッサーをその処理機能の中核としている。コンピュータに対するプログラムは、そのマイクロプロセッサーが備える各種演算を、どのような手順で行っていくかの指示を与えるものとなる。
マイクロプロセッサーが備える各種の演算(整数の四則演算など)は、ビット(デジタル情報量の基本単位)ごとのいくつかの基本演算を、適切な順序に行うことで実現する。そこで、マイクロプロセッサー自身を構成するのに、基本演算回路と小規模制御回路を用意して、それらの動作手順をプログラムの形で与えて組み込む方式が生まれた。この際のプログラムを、マイクロプログラムという。
通常のプログラムがその指示の単位とするのは、マイクロプロセッサーが備える演算に対応する命令である。一方マイクロプログラムは、その個々の命令を実現するために書かれるものであり、その単位はより微細な動作を指示するマイクロ命令となる。
[筧 捷彦]
コンピューターの基本命令は算術的演算,プログラムの実行順序の制御のような,機械の内部の動作から比較的独立した論理的動作を指示する。通常のプログラムはこのような基本命令の集りとして記述される。しかし基本命令を実現するため機械の内部では,機械を構成する各部の間で情報を転送するそれぞれの機械に依存した動作が行われる。これにはレジスターから内部バスへのデータの送出,内部バスからレジスターへのデータの受信などの動作がある。機械に対してこのようなレベルの動作を指示することも,プログラムによって記述できる。この動作の指示をマイクロ命令と呼び,マイクロ命令の集りで書かれたプログラムをマイクロプログラムと呼ぶ。
マイクロプログラムは通常の基本命令の記述に使用されている。通常のコンピューターではマイクロプログラムを利用者が変更することはできず,製造会社でコンピューターを規則的に設計する手段となっている。特殊の機械では各利用者が自分でマイクロプログラムにより自分用の基本命令を作ることができるようになっていることもある。
執筆者:斉藤 忠夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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… 最近はハードウェアとソフトウェアの境界が不鮮明になりつつある。かつてはソフトウェアで処理していた作業がハードウェアとして組み込まれたり,そのための集積回路が作られたりする一方,ハードウェアの内部にもマイクロプログラムというソフトウェアとでもいうべき構成をとるものがでてきている。 ソフトウェアの訳語は二,三提案されたが,通常ソフトウェアがそのまま使われている。…
※「マイクロプログラム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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