日本大百科全書(ニッポニカ) 「マクファデン」の意味・わかりやすい解説
マクファデン
まくふぁでん
Daniel Little McFadden
(1937― )
アメリカの計量経済学者。ノース・カロライナ州ローリー生まれ。1962年にミネソタ大学で博士号を取得し、ピッツバーグ大学、マサチューセッツ工科大学などを経て、1990年からカリフォルニア大学バークリー校教授を務める。J・J・ヘックマンとともに、「ミクロ計量経済学の分野で、個人と家計の動向を定性的に分析する理論と手法を開発し、これらは経済学だけでなく、政治学、社会学など他の分野にも幅広く活用されている」貢献により、2000年のノーベル経済学賞が授与された。
1960年代に、経済的な誘引が、人々の職業、教育、居住地などの個別選択(discrete choice)にどのような影響を与えるかについて定性的意思決定モデルを開発し、経済理論の基礎を築いた。この理論はサンフランシスコの地下鉄などの公共交通機関の需要予測に活用されたほか、消費行動の推定にも当てはめられ、幅広く利用されている。
[金子邦彦]