ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マグレガー」の意味・わかりやすい解説
マグレガー
McGregor， Douglas (Murray)
[没]1964.10.13. マサチューセッツ，アクトン
アメリカの経営学者。ハーバード大学で心理学を専攻し，1935年博士号を取得，以後講師をつとめる。 37年マサチューセッツ工科大学に移り心理学の講座を担当，48年同大学教授。同年からアンティオーク・カレッジ学長となったが，54年再びマサチューセッツ工科大学に戻り，終生教授の任にあった。またこの間多くの企業の経営コンサルタントとしても活躍した。彼は経営理論の根底にある人間観にさかのぼり，生来怠け者の人間に飴とむちの管理を加えるという従来の考え方 (X理論) に対して，自己実現欲求を満足させる管理方式 (Y理論) を主張して人間観の転換を求めた。主著『企業の人間的側面』 The Human Side of Enterprise (1960) ，『リーダーシップ』 Leadership and Motivation:Essays by Douglas McGregor (66) ，"The Professional Manager" (67) 。
マグレガー
Macgregor， Robert; Rob Roy
[没]1737.12.28. パースシャー，バルキダー
スコットランドの山賊。ロブ・ロイ (ゲール語で「赤毛のロバート」の意) と通称される。もとは牧畜業者。名誉革命後の新政府にマグレガー一族が忠誠を誓わなかったため処罰されることになり，それを免れるために，1693年カンベルと改名。モントローズ公から借金して事業に投機したが失敗し，逐電したため，1712年公から訴えられ，裁判中に公が彼の財産を没収した。これを機に，反モントローズ派貴族の後援を受けて盗賊となり，一味を率いて各地で山賊行為を働いた。「十五年の反乱」には消極的ながら反乱軍に加担。 17年アソル公 (初代) に捕えられたが釈放され，27年再び逮捕されて流刑に処せられかけたが免れた。以後は郷里で余生をおくった。義賊として伝説化され，W.スコットの小説の題材にもなった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報