マデイラ
Madeira
マデイラ島でつくられる強化ブドウ酒。セルシアル,ベルデリョ,ブアル,マルムジーと呼ぶ4タイプがあり,それぞれ原料ブドウの品種を異にする。淡色辛口のセルシアルから順に濃色甘口となり,マルムジーは濃褐色できわめて甘い。いずれもブランデーを添加して樽詰とし,これをエスタファと呼ぶ温室に入れ,約50℃の室温で3ヵ月ほど熟成を行う。温熟法というこの特殊な熟成法により,マデイラは独特の強い芳香をもつようになり,しかもこの香気が長年月をへても失われぬという特徴をもっている。辛口のものは食前酒,甘口のものは食後酒に用いられ,調理用にされることも多い。アルコール分20%内外。
執筆者:大塚 謙一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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マデイラ[諸島]【マデイラ】
モロッコの西方約700km,大西洋上のポルトガル領の島群。行政上は自治地方とされ,フンシャルFunchal県と呼ばれる。主島マデイラのほか付属小島からなる。全体に山がちで,火山岩からなり,バナナ,ブドウ酒(マデイラ酒)を特産,風光明媚な観光地,保養地としても有名。マデイラ島の照葉樹林は1999年世界自然遺産に登録された。住民は主としてポルトガル系。1419年ポルトガル人が到達してから植民が進み,大航海時代以降アメリカ大陸とアフリカ,ヨーロッパを結ぶ海上交通の要地となった。主都フンシャル。745km2。26万7785人(2011)。
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出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のマデイラの言及
【マデイラ[諸島]】より
…行政的には〈自治地方〉をなし,フンシャル県と呼ばれる。マデイラ島,ポルト・サント島,およびデゼルタス,セルバージェンの小群島からなる。全島が火山島。…
【マデイラ】より
…マデイラ島でつくられる強化ブドウ酒。セルシアル,ベルデリョ,ブアル,マルムジーと呼ぶ4タイプがあり,それぞれ原料ブドウの品種を異にする。…
※「マデイラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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