日本大百科全書(ニッポニカ) 「マトフエフキ」の意味・わかりやすい解説
マトフエフキ
まとふえふき / 的笛吹
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[学] Lethrinus harak
硬骨魚綱スズキ目フエフキダイ科に属する海水魚。和歌山県以南の太平洋沿岸、南西諸島、台湾、南シナ海、オーストラリア北東岸、サモア諸島、ミクロネシアなど西太平洋、インド洋に広く分布する。体は楕円(だえん)形で、体高は普通。体長は体高の2.6～2.8倍。頭の外郭は目の前でわずかに膨出する。吻(ふん)は短くて鈍い。目が小さい。両顎(りょうがく)には前部に2対(つい)の犬歯が、側部には1列の臼歯(きゅうし)がある。口蓋骨(こうがいこつ)に歯がなく、頬(ほお)に鱗(うろこ)がない。鰓条骨(さいじょうこつ)は6本。背びれ棘(きょく)部基部中央と側線の間の鱗は6枚。胸びれの腋部(えきぶ)の内側は密に鱗をかぶる。最大の全長は約50センチメートルであるが、普通は20～30センチメートル。体は背側面が黄褐色または灰褐色で、腹側面が銀白色。体側の中央に1個の大きな楕円形の黄色で囲まれた黒斑(こくはん)があり、側線の直下から胸びれ先端に広がる。尾びれの後部は赤色。サンゴ礁の周りの浅い砂泥底、サンゴ礫底(れきてい)、マングローブ帯、海藻帯に単独または小さい群れですむ。多毛類、甲殻類、軟体動物、棘皮動物、小形魚類などを食べる。一本釣り、刺網(さしあみ)などで漁獲される。肉は白色で、刺身、塩焼き、煮つけなどにして賞味される。
［尼岡邦夫 2018年7月20日］
