マナティ(その他表記)Trichechus; manatee

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マナティ」の意味・わかりやすい解説

マナティ
Trichechus; manatee

海牛目マナティ科のなかの属の総称。3種からなり,体長 2.5~4.5m,大きいものは体重が約 1.6tにも達する。体色は紫色がかった灰色。全身に毛がまばらに生え,水中生活に適して前肢は鰭(ひれ)状,後肢は退化し,尾鰭は水平に平たい。鰭状の前肢にはかすかに爪がみられる。湾や河口,流れのゆるい川の濁った水中にすみ,単独あるいは小群で生活し,水生植物を主食とする。視力が弱く,仲間同士のコミュニケーションは鼻面の接触によって行なうほか,危険を知らせるときは「ちゅっちゅっ」という短い叫び声を発する。北アメリカから南アメリカ北部にかけてアメリカマナティ T.manatus,西アフリカにアフリカマナティ T.senegalensis,南アメリカ北東部にアマゾンマナティ T.inunguisがいる。いずれもその数は減少しており,国際自然保護連合 IUCNレッドデータブックでは絶滅危惧種に指定されている。成獣には基本的に天敵は存在しないが,水質汚染などにより減少傾向にある。

マナティ
Manatí

西インド諸島中部,アメリカ合衆国自治領プエルトリコ北部の都市。首都サンフアンの西約 40km,大西洋岸の低湿地にある。 1738年建設。パイナップル地帯の中心地であるが,サトウキビコーヒー果樹なども栽培。パイナップル缶詰のほか,製靴,縫製木工などの工業がある。人口3万 8692 (1990) 。

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