改訂新版 世界大百科事典 「マルウンカ」の意味・わかりやすい解説
マルウンカ
半翅目マルウンカ科Issidaeの昆虫の総称,またはそのうちの1種を指す。マルウンカ類はウンカ上科の中ではもっとも多くの種を含む科の一つで,世界中のほとんどの地域から1000種以上が報告されている。名のように丸い形をしたものが多く,とくにマルウンカ亜科Hemisphaerinaeの種は半球状で一見テントウムシに似た外観をしているが,クサビ型やアオバハゴロモのような形をしたものも多い。前翅は革質化している。幼虫,成虫ともに種々の植物上で生活する。
マルウンカGergithus variabilisは半球状で翅端まで6mm前後。色彩は変化に富んでいるが,褐色で前翅上に淡色の2円紋と周辺部に不規則な淡色部を現す個体が多い。ほかに全体淡褐色のものや,黒化した個体(雌のみ)が見られる。成虫は6~8月ころ出現し,フジ,ウツギ,クリなど各種の広葉樹の葉上に見られる。本州,四国,九州に分布する。日本にはほかにカタビロクサビウンカIssus harimensis,クサビウンカSarima amagisana,タカギマルウンカHemisphaerius takagii,キボシマルウンカIshiharanus iguchii,アカジマアシブトウンカOmmatidiotus japonicaなど9属14種を産する。
執筆者:堀 義宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報