マンデビラ(その他表記)Mandevilla

改訂新版 世界大百科事典 「マンデビラ」の意味・わかりやすい解説

マンデビラ
Mandevilla

キョウチクトウ科マンデビラ属Mandevillaの植物の総称で,多くはつる状木本になるが,草木状の種もある。熱帯アメリカに約100種を産する。葉は対生か輪生し,全縁で,花は集散花序をなし,花冠は漏斗形である。観賞用に温室で栽植される種に交配改良されたマンデビラ・アマビリスM.×amabilisと呼ばれるものがある。つるは,初め緑色で,その後,木質化して茶褐色となり,長く伸びる。葉は対生し,緑色で光沢があり,長卵形で,先端は光る。花は夏から秋に咲き,漏斗形で淡桃色。花屋では,この種をローズ・ジャイアントディプラデニアDipladenia属に似ているため)と呼ぶこともある。

 本属にはほかにマンデビラ・ボリビエンシスM.boliviensisの名で市販される濃い桃色のものがある。しかし,本来のマンデビラ・ボリビエンシスは白花種であり,この名で市販されているものとは違う。マンデビラ属は園芸店でディプラデニア属と混同して取り扱われることが多い。温室内の日のよく当たる場所に置き,冬は12℃以上を保つ。培養土はほかの熱帯花木と同様,排水の良いもので植える。繁殖挿木により,6~7月に比較的若いつるの部分を挿す。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マンデビラ」の意味・わかりやすい解説

マンデビラ
まんでびら
[学] Mandevilla

キョウチクトウ科(APG分類:キョウチクトウ科)の藤本(とうほん)(つる植物)。熱帯アメリカに約100種が分布する。よく知られるサンデリM. sanderi (Hemsl.) Woodsonはブラジル原産で、春から秋に径6~7センチメートルの淡桃から濃桃色の漏斗(ろうと)形花をつける。つる性であるが、摘心して鉢花として利用する。園芸店では旧属名のディプラデニアDipladeniaの名でよばれる。また、アマビリスは種間交雑種で、より大形で、つる性が強く、品種のローズ・ジャイアントは行灯(あんどん)仕立てにされる。径10センチメートル以上の大輪種で、夏によく開花する。繁殖は、両種とも挿木による。

[高林成年 2021年6月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マンデビラ」の意味・わかりやすい解説

マンデビラ
Mandevilla(Dipladenia)

キョウチクトウ科マンデビラ (チリソケイ) 属の総称。メキシコからアルゼンチンにかけて約 100種が分布する。一般には旧属名のディプラデニアの名で呼ばれることが多い。葉は先のとがった卵円形で対生し,花冠は漏斗形で5裂する。半つる性で花径6~7cmのマンデビラ・サンデリ M.sanderiと,マンデビラ・アマビリス M.×amabilisの園芸品種である大輪つる性の`ローズ・ジャイアント'が,鉢植えで流通する。よく日に当てて管理し,冬期は明るい窓辺でなるべく 10℃以上に保つ。

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