ミヤマイラクサ(読み)みやまいらくさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤマイラクサ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマイラクサ
みやまいらくさ / 深山刺草
[学] Laportea cuspidata (Wedd.) Friis
Laportea macrostachya (Maxim.) Ohwi

イラクサ科(APG分類:イラクサ科)の多年草。イラクサよりも深山に群生するのでこの名があるが、葉が互生するのでイラクサ属ではなくムカゴイラクサ属の植物である。ムカゴイラクサよりも全体に大きく、葉はより幅広くて縁(へり)の鋸歯(きょし)が粗く、全体により長い刺毛が著しい。また、雄花序円錐(えんすい)状だが雌花序は穂状で枝を分けない点も区別点である。普通、むかごはつけないが、本州の日本海側にはむかごをつくる型が知られる。北海道から九州の深山に生育する。とくに本州北部のブナ林では沢沿いに多くみられ、アイコの名で山菜として若い茎葉をゆでて食用とされる。国外では朝鮮半島から中国にかけて広く分布し、中国名は艾麻。

[米倉浩司 2019年12月13日]


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世界大百科事典(旧版)内のミヤマイラクサの言及

【ムカゴイラクサ】より

… ムカゴイラクサ属Laporteaは北米,アジア,南アフリカ,マダガスカルに分布し,約20種がある。日本にはもう1種,ミヤマイラクサL.macrostachya (Maxim.) Ohwiが自生し,北海道,本州,九州(少ない)に分布する。より大型の植物で葉には粗い欠刻状の鋸歯がある。…

※「ミヤマイラクサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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