ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミレスク」の意味・わかりやすい解説
ミレスク
Milescu, Nicolae (Spǎtar)
[没]1708. モスクワ
モルドバ公国出身の政治家,文学者。コンスタンチノープルで勉学ののち,首都ヤシへ帰り,軍長官に任命されたが,王位をねらった計画が露見して,1668年鼻切りの刑に処され,国外へ亡命。 71年ロシアへ行き,外務省で翻訳官の地位を与えられた。 75年に北京へ使節団団長として派遣され,78年にモスクワへ帰還。この旅行中の体験と見聞をもとに書かれた『トボリスクから中国国境までのシベリア王国旅行記』 Puteshestvie tsarstva Sibir'skogo ot goroda Tobol'ska i do samogo rubezha gosudarstva Kitaiskogo (1675執筆,1882刊) ,『中国紀行記または使節団報告書』 Kitaiskaya kniga,ili Stateinyi spisok posol'stva (1675~78執筆,1906刊) は,当時のシベリア,中国の自然,社会制度,風俗を知る貴重な文献。
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