ムコイド(読み)むこいど(その他表記)mucoid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムコイド」の意味・わかりやすい解説

ムコイド
むこいど
mucoid

動物血液や粘性分泌物中に含まれるタンパク質成分と共有結合した粘性物質で、ヘキソース由来のアミノ糖であるヘキソサミンを40%以上含むものをさすが、分子構造が明らかにされてきた現在では、このような見かけの組成に基づく用語はほとんど使われない。すなわち、化学的性状に基づく定義が確定している糖タンパク質、あるいはムコ多糖(グリコサミノグリカン)のいずれかに分類されている。

村松 喬]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムコイド」の意味・わかりやすい解説

ムコイド
mucoid

糖類が蛋白質,ペプチドなどと共有結合で結びついている物質をさしていうが,粘性をもつ物質であるため,類粘液質ともいう。ムコ多糖類似物質というところからの呼び名で,多糖類に重点があり,蛋白質が主体であって多糖類が従である場合にはムコ蛋白質という名が用いられる。胃,腸の粘膜気管の上皮細胞表面や嗅粘膜表層に分泌されるものなどがよく知られているが,血清中,唾液中などにも含まれていて,粘稠度を高めている。特徴的成分としてヘキソサミン,その硫酸誘導体,ヘキソン酸を含むが,明確に定義された群ではない。

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化学辞典 第2版 「ムコイド」の解説

ムコイド
ムコイド
mucoid

類粘液質ともいう.ヘキソサミンを4% 以上含む糖タンパク質.動物性粘質物ムチンとは異なり,酸に溶解する粘質物をムコイドとして分類した一時期もあるが,最近では,プロテオグリカンに分類されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ムコイド」の解説

ムコイド

 →ムチン

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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