メクラヘビ(読み)めくらへび(英語表記)blind snake

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メクラヘビ」の意味・わかりやすい解説

メクラヘビ
めくらへび / 盲蛇
blind snake

爬虫(はちゅう)綱有鱗目(ゆうりんもく)メクラヘビ科に属するヘビ総称。この科Typhlopidaeの仲間は南アジア、東アフリカ、マダガスカル島、オーストラリア、太平洋の諸島に約180種が分布し、人為的にハワイ、メキシコにも及んでいる。全長14~18センチメートル、体形はまったくのミミズ型で尾が短く尾端がとがる。頭部以外は同大の滑らかな細鱗に覆われ、腹板は分化しない。上顎(じょうがく)にのみ歯があり、腰帯と後肢の痕跡(こんせき)が小骨として体内に残る。宝島以南の南西諸島小笠原(おがさわら)諸島の父島に分布し、鹿児島県などでも発見されているブラーミニメクラヘビTyphlina braminaは、科の分布域と同じく世界に広く分布する。目は退化的で鱗(うろこ)の下に隠れ、耕地などの柔らかい地中にトンネルを掘ってすむ。餌(えさ)はシロアリや体の柔らかい昆虫類である。卵生で、長楕円(ちょうだえん)形の卵を3~6個ほど産む。メクラヘビの近縁種にはホソメクラヘビ科Leptotyphlopidaeの約50種と、アメリカミミズヘビ科Anomalepidaeの約20種とがある。

[松井孝爾]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メクラヘビ」の意味・わかりやすい解説

メクラヘビ
blind snake

トカゲ目メクラヘビ科 Typhlopidaeに属するヘビ類の総称。いずれもミミズに似た体形をもつ小型のヘビで,地中で生活をしている。上顎と口蓋部の骨は退化が著しく,歯は上顎 (メクラヘビ科) ,下顎 (ホソメクラヘビ科) のどちらかにしかない。眼は非常に小さい。体表の鱗はどれもほぼ同形である。熱・亜熱帯に広く分布し,日本では宝島以南の南西諸島にメクラヘビ Typhlops braminusが知られる。

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