メソロンギオン(読み)めそろんぎおん(英語表記)Mesolóngion

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メソロンギオン」の意味・わかりやすい解説

メソロンギオン
めそろんぎおん
Mesolóngion

ギリシア中部、アイトリア・アカルナニア県の県都。人口1万0300(2003推計)。アテネ西北西210キロメートル、パトレー湾北岸に位置する。町は潟湖(せきこ)の湖岸沼沢地に立地し、従来船舶の出入りが困難であったが、新たに港を設け、臨海鉄道貨物を輸送している。伝統的な産業は漁業と果樹栽培。1822~23年、ギリシア独立戦争の際、ギリシア軍の要塞(ようさい)となりトルコ軍の包囲攻撃に抵抗、26年婦女子・老人を含む3000人余りの守備隊が爆死するまでこれを死守した。この戦争に参加したイギリスの詩人バイロンは1824年熱病によりこの地で没し、現在彼の像と記念碑が立っている。

[真下とも子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メソロンギオン」の意味・わかりやすい解説

メソロンギオン
Mesolóngion

メソロンギ Mesolóngi,ミソロンギ Missolonghiともいう。ギリシア,バルカン半島南西部の都市。アテネの西北西約 210km,パトライコス湾北岸に形成された浅い潟湖の北西岸に位置する。古代都市エライオスのあったところで,オスマン帝国領時代は漁村であった。ギリシア独立戦争 (1821~29) 中,1822~23,26年の2度にわたり激戦地となり,またこの独立戦争に参加したイギリスの詩人バイロンが 24年病死した地として知られる。戦後再建され,水産物たばこ,ワイン,家畜などの取引中心地として発展。東のクリオネリ港,北のアグリニオンと鉄道で連絡。人口1万 2674 (1991推計) 。

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