メッツァンジェ(読み)めっつぁんじぇ(英語表記)Jean Metzinger

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メッツァンジェ」の意味・わかりやすい解説

メッツァンジェ
めっつぁんじぇ
Jean Metzinger
(1883―1956)

フランスの画家ナントに生まれる。初め新印象主義の影響を受け、スーラの手法で絵画を制作。その後フォービスムを経てキュビスムの運動に参加、ピカソ、ブラックなどとともにキュビスムの主要画家の一人となる。1912年にはビヨン三兄弟やグレーズとともにキュビスムの画廊「セクシヨン・ドール黄金分割)」を開設、同年キュビスムに関する最初の理論的文献となった『キュビスム』をグレーズとともに著した。作品よりもキュビスム運動の推進者として重要視されているが、その画風には明るい色彩に叙情性が感じられる。代表作に『匙(さじ)を持つ女』(1911、フィラデルフィア美術館)、『扇子を持つ女』(1913、ニューヨーク、グッゲンハイム美術館)などがある。パリに没。

[染谷 滋]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メッツァンジェ」の意味・わかりやすい解説

メッツァンジェ
Metzinger, Jean

[生]1883.6.24. ナント
[没]1956.11.1. パリ
フランスの画家。 1903年からパリに定住。初め新印象主義,次いでフォービスムに影響されたが,08年にキュビスム運動に参加,この派の主要な画家となる。 12年デュシャン兄弟を中心に結成されたキュビスムの一派である「セクシオン・ドール (黄金分割) 」に加わり,同年 A.グレーズとともにキュビスムに関する最初の著書『キュビスム論』 Du cubismeを出版した。

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