メトキテス(読み)めときてす(その他表記)Theodoros Metochites

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メトキテス」の意味・わかりやすい解説

メトキテス
めときてす
Theodoros Metochites
(1260/61―1332)

ビザンティン帝国学者。アンドロニコス2世Andronikos Ⅱ(1283―1328)の宰相で、同帝の退位後修道院に入る。後期ビザンツのもっとも重要な百科全書派の学者の一人。主著哲学的・歴史的随筆』は哲学、歴史、文学の3分野(120のテーマ)にわたる著者の見解集大成で、おのずと百科事典をなしている。ほかにアリストテレス哲学注釈、天文学、数学修辞学の著作、詩、書簡外交使節としての報告書など数多くの作品が残されている。

和田 廣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メトキテス」の意味・わかりやすい解説

メトキテス
Metochitēs, Theodōros

[生]1260頃.ニカエア
[没]1332.3.13. コンスタンチノープル
ビザンチンの文献学者。皇帝アンドロニクス2世の側近。自然科学,修辞学,哲学などに通じ,人文主義運動の先駆者の一人といわれる。主著は 120に上る哲学,歴史に関する論考をまとめたエッセー集『雑録格言』 Hypomnēmatismoi kai sēmeiōseis gnōmikaiで,批判精神と思想性の点でビザンチンにおける最もすぐれた作品の一つ。

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