モグラジネズミ(読み)もぐらじねずみ(英語表記)mole shrew

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モグラジネズミ」の意味・わかりやすい解説

モグラジネズミ
もぐらじねずみ
mole shrew
[学] Anourosorex squamipes

哺乳(ほにゅう)綱食虫目トガリネズミ科の動物。半地下性の種で、中国西部、アッサムインドシナ半島、台湾に分布する。頭胴長8.5~11センチメートル、尾長0.6~1.7センチメートルで、尾は痕跡(こんせき)的で細く短くほとんど裸出している。前肢とそのつめはよく発達し、目と耳介はきわめて小さい。毛は柔らかく密で黒色に近い。歯式は

で合計26本。トガリネズミ科のなかではもっとも地下適応した種で、高地の温帯森林にすみ、落葉層、腐植層にトンネルをつくり、ヒミズに似た半地下性の生活をする。昆虫ミミズを主食し、生息数は少なくない。

阿部 永]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例