モスクワ外相会議

山川 世界史小辞典 改訂新版 「モスクワ外相会議」の解説

モスクワ外相会議(モスクワがいしょうかいぎ)

①〔1943〕1943年10月,米英ソ3国外相はモスクワで会議を開き,戦争の終結を早める方法や協力問題を討議した。その結果,ドイツ降伏単独では受理しないこと,第二戦線を設定すること,ファシズムを打倒し,イタリアに自由を回復すること,ドイツ人の残虐行為,殺戮を厳重に処罰すること,オーストリア再建することなどを宣言した。また,初めて公式に平和機構設立の必要を声明した「一般的安全保障に関する四カ国宣言」を発表した(中国も署名)。

②〔1945〕第二次世界大戦後の1945年12月,モスクワで米英ソ3国外相会議が開かれ,極東委員会の設置,朝鮮臨時政府の樹立米ソ共同委員会の設置,中国の内政不干渉などの諸問題が討議,決定された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「モスクワ外相会議」の解説

モスクワ外相会議
モスクワがいしょうかいぎ

モスクワで開かれた外相会議の総称
おもなものには次の3つがある。(1)1943年10月,ソ連・アメリカ・イギリスの3国外相が会談。第二次世界大戦の終結を早める問題を協議し,単独不講和,第二戦線の設定,ドイツの残虐行為の処罰,オーストリアの再建,平和機構設立(この項には中国も署名)を宣言した。(2)大戦後の1945年12月,同じ3国外相が会談。極東委員会および朝鮮における米ソ共同委員会の設置,中国内政への不干渉などを決定した。(3)1947年3〜4月,ソ連・アメリカ・イギリスにフランスを加えた4国外相会議が開かれ,ドイツ・オーストリアとの講和問題が討議されたが成功しなかった。その後,冷戦の進行に伴い,大戦中の協力関係は崩壊した。

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