モノチス(その他表記)Monotis

デジタル大辞泉 「モノチス」の意味・読み・例文・類語

モノチス(〈ラテン〉Monotis)

中生代三畳紀後期に栄えた海生の二枚貝貝殻は楕円状で薄く、殻頂から放射肋ほうしゃろくが走る。重要な示準化石

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「モノチス」の意味・読み・例文・類語

モノチス

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] Monotis ) 中世代三畳紀後期に栄えた海生の二枚貝。薄い楕円状の殻頂から、放射肋が走る。重要な示準化石のひとつ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「モノチス」の意味・わかりやすい解説

モノチス
Monotis

三畳紀に栄えた絶滅二枚貝の1属でモノチス科Monotidaeを代表する。1830年にH.G.ブロンによって名づけられた。殻はきわめて薄く,楕円形で前傾し,左殻は右殻よりも強くふくらむ。右殻に小さな突出した前耳があり,その下に明瞭な足糸湾入がある。通常複数のオーダーの放射肋をもつが,時代とともに肋数が減じ,ついには表面がほとんど平滑となる。形態,産状からみて,浮遊海藻に付着して生活したと考える学者もある。分布が広く形態変化が速いので,三畳紀後期の示準化石として重視される。狭義のモノチスがアルプスを中心とするテチス海域に分布するのに対し,シベリア東部,日本,ニュージーランドアンデスロッキーなど環太平洋地域の種はエントモノチス亜属Entomonotisに分類される。日本では宮城県歌津地方をはじめ,岡山県成羽地方,高知県佐川地方,熊本県八代地方の砂岩泥岩にきわめて多い。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モノチス」の意味・わかりやすい解説

モノチス
Monotis

二枚貝綱モノチス科の代表属。両殻はほぼ同形種類と,左殻凸で右殻が平らな種類とがある。殻は薄く,放射肋が発達している。 鉸縁は直線状。右殻の足糸孔は小さいが深い。小耳は斜め前方に出る。海生。三畳紀後期 (ノリアン期) に世界的に分布する示準化石。日本でも北上山地南部や関東山地中国山地に産出する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android