ヤマガシュウ(読み)やまがしゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマガシュウ」の意味・わかりやすい解説

ヤマガシュウ
やまがしゅう / 山何首烏
[学] Smilax sieboldi Miq.

ユリ科(APG分類:サルトリイバラ科)の落葉藤本(とうほん)(つる植物)。ヤマカシュウともいう。高さ2~3メートル。茎には稜(りょう)があり、大小不ぞろいの刺(とげ)が直角に出る。葉は互生し、卵形で長さ5~12センチメートル、先はとがり、縁(へり)に小突起があり、5本の脈が目だつ。葉柄の下部には一対の巻きひげがある。雌雄異株。5~6月、葉腋(ようえき)から散形花序を出し、5、6個の黄緑色の小花を開く。液果球形で黒く熟す。名は、山地に生え、何首烏(かしゅう)(ツルドクダミの中国名)またはカシュウイモの葉に似ているためといわれる。本州から九州、および朝鮮半島、中国に分布

小林義雄 2018年11月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマガシュウ」の意味・わかりやすい解説

ヤマガシュウ(山何首烏)
ヤマガシュウ
Smilax sieboldii

ユリ科シオデ属の落葉性のつる植物。ヤマカシュウ,サイカチバラともいう。本州以南および東アジアに分布する。蛇紋岩・石灰岩地帯に多く,山地に生える。茎に稜角があり,とげが多い。葉は卵形,無毛,縁に小突起がある。葉柄の基部に 1対の巻きひげがある。5~6月に散形花序を腋生し,黄緑色の花をつける。雌雄異株で,花被片は 6枚ある。液果は球状で黒熟する。

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