日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユヌス・エムレ」の意味・わかりやすい解説 ユヌス・エムレゆぬすえむれYunus Emre(?―1320ころ) トルコの民衆詩人。北西アナトリア(小アジア)に生まれる。中央アジアの詩人アフマド・ヤサウィAmad Yasawīを嚆矢(こうし)とする民衆的なイスラム神秘主義詩の伝統を受け継ぎ、簡潔なアナトリア・トルコ語によって人間愛、神への愛、神秘主義思想への傾倒などを歌い上げ、トルコ語、トルコ文学の発展に貢献した。その素朴な作風は、現在でもなおトルコ人に愛され、トルコ近代文学にも大きな影響を与えている。[永田雄三] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユヌス・エムレ」の意味・わかりやすい解説 ユヌス・エムレYunus Emre [生]?[没]1320トルコの神秘主義詩人。生涯について詳しいことは不明。アナトリア出身で,イスラムの神秘主義教団の一つベクタシュ教団の長老であったと伝えられる。神の愛と人間の運命とを主題にした詩が多い。深い宗教的感情に裏づけられたその作品は 1910年以降のトルコ民族文学に大きな影響を与え,今日でも広く読まれている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報