ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨハネス16世」の意味・わかりやすい解説
ヨハネス16世(17世)
ヨハネスじゅうろくせい[じゅうななせい]
Johannes XVI (XVII)
[没]1001.8.26.
教皇グレゴリウス5世(在位 996~999)の対立教皇(在位 997~998)。本名 Giovanni Filagato。ギリシア系の修道士で,神聖ローマ皇帝オットー2世(在位 967~983)の皇后テオファノの側近として強い影響力をもち,テオファノの息子オットー3世(在位 996~1002)の代父となった。995年オットー3世により,ビザンチン帝国の皇女を王妃に迎える使者としてコンスタンチノープルへ派遣された。そののちオットー3世は従兄のブルノをグレゴリウス5世として教皇位につけたが,これに反対したローマの有力貴族クレスケンチウス2世が反乱軍を率いて教皇を追放し,さらにオットー3世に対抗するためローマとビザンチン帝国の同盟を画策して,ヨハネス16世(17世)を教皇位につけた。998年にオットー3世がイタリアに侵攻し,クレスケンチウス2世は斬首され,ヨハネス16世(17世)は投獄,あるいは修道院に幽閉された。
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