(読み)まつ(英語表記)mo

翻訳|mo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


まつ
mo

中国演劇の役柄の一つ。元雑劇では主役として重要な役柄であったが,家従,馬夫など端役に変り,老生に組入れられ,次第にすたれつつある。老生は中年と老年を演じ黒いひげをつけるが,白いひげをつけた老年を末という。現在,末を除く4つが中国演劇の主要な役柄となった。 (→京劇 )

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デジタル大辞泉の解説

うら【末】

植物の葉や枝の先。こずえ。うれ。
「小里なる花橘(はなたちばな)を引き攀(よ)ぢて折らむとすれど―若みこそ」〈・三五七四〉
すえ。端。「弭(はず)」
[補説]古くは「うれ」が単独で用いられたのに対し、「うら」は「うら葉」のような複合形に用いられることが多い。

うれ【末】

草の葉や茎、木の枝の先端。こずえ。うら。
「うちなびく春立ちぬらし我が門(かど)の柳の―にうぐひす鳴きつ」〈・一八一九〉

すえ〔すゑ〕【末】

(本(もと)に対して)続いているものの先端の方。末端。「毛の
川下(かわしも)。下流。
「山中の渓流の―である河は」〈大岡・野火〉
中央から離れた端の所。場末・野ずえ・末席など。「の座」
本筋から隔たった物事。つまらないこと。「そんな細かいことはだ」
物事の行われたのち。あげく。「ごたごたの落ち着く」「苦心の完成した」
ある期間の終わりのほう。「今月の
一生の最後の時期。晩年。「人一代の
今からのち。行く末。将来。「が思いやられる」
子孫。「源氏の
10 一番あとに生まれた子。末っ子。「は女です」
11 仏教がおとろえ人心がすさみ、道徳も秩序も乱れ衰えた時代。末世(まっせ)。「世もとなる」
12 短歌の下(しも)の句。
13 (本(もと)に対して)後編。
14 神楽歌を奏するのに、神座に向かって右方の座席。また、そこにすわる奏者。
15 草木の伸びている先。こずえ、枝先など。
「うぐひすの…紅梅の―にうち鳴きたるを」〈・若菜上〉
16 山頂。山のいただき。
「高山、短山(ひきやま)の―より」〈祝詞・六月晦大祓〉
17 江戸時代、将軍・大名などに仕えた女中。おすえ。
18 身分の低いもの。下等。下級。
「―の傾城四人まゐりて」〈浮・一代男・八〉
[下接語]来(こ)し方行く末末の末場末本(もと)末行く末(ずえ)末末月末野末葉末穂末

ばつ【末】[漢字項目]

まつ

まつ【末】

終わり。すえ。「三月の」「世紀
粉(こな)。粉末。
「薬ヲ―ニスル」〈和英語林集成

まつ【末】[漢字項目]

[音]マツ(呉) バツ(漢) [訓]すえ うら うれ
学習漢字]4年
〈マツ〉
物の端の方。物事の終わりの方。最後。果て。すえ。「末裔(まつえい)末期(まっき)末期(まつご)末日末梢(まっしょう)末端末尾末葉巻末期末結末月末毫末(ごうまつ)歳末始末終末週末端末顛末(てんまつ)年末幕末文末本末
中心的でないこと。主要でない。とるにたりない。「末学末席末節末輩瑣末(さまつ)粗末
小さく細かいもの。「粉末
〈バツ〉
すえ。終わり。「末子末孫末弟
主要でない。下位。「末席
[補説]の語例の「末」は「マツ」とも読む。
〈すえ(ずえ)〉「末広月末野末葉末場末
[名のり]とめ・とも・ひで・ひろし・ほず・ま
[難読]末枯(うらが)れ末生(うらな)り木末(こぬれ)

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大辞林 第三版の解説

うら【末】

枝先。こずえ。うれ。 「小里なる花橘を引きよぢて折らむとすれど-若みこそ/万葉集 3574
先端。はし。すえ。 「 -筈はず」 「 -成り」

うれ【末】

木や草、また枝の先端。すえ。うら。 「わが門の柳の-に鶯鳴きつ/万葉集 1819

すえ【末】

物のはし。先端。 ⇔ もと 「竹ざおの-」
きょうだいのうち、一番下の子。 「 -の子」
子孫。後裔こうえい。 「藤原氏の-」
時間の最後。 「年の-」 「月-」
未来。将来。ゆくすえ。 「 -が案じられる」 「 -の約束をしたからつて、果して其通りに遂られるか/当世書生気質 逍遥
道徳観念のすたれた時代。 「世も-だ」
主要でないこと。大した問題ではないこと。 「 -の問題」
短歌の下の句。 ⇔
神楽歌かぐらうたを奏する際、神座に向かって右方の席。
物事の行われたあと。結果。 「話し合いの-解決した」 「苦労した-、完成にこぎつけた」
草木の上方の先端。こずえや枝先。 「奇めつらしき鳥来て杜かつらの-に居り/日本書紀 神代下訓
後の世。後世。 「かの須磨の日記は、-にも伝へ、知らせむ/源氏 梅枝

まつ【末】

主に時を表す名詞の下に付いて、「すえ」「終わり」の意を表す。 「年-」 「学期-」 「巻-」 「文-」
こな。粉末。 「僧、松柏の脂の-を以て法義に令食じきせしむ/今昔 7

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

うら【末】

〘名〙
① 枝先。こずえ。うれ。
※万葉(8C後)一四・三五七四「小里(をさと)なる花橘を引きよぢて折らむとすれど宇良(ウラ)若みこそ」
② 先端。すえ。
※京極大草紙(室町後)躾式法之事「箸の本末と云事個とは、ほそきはうら、ふときは本なり」

うれ【末】

〘名〙 草の茎や葉、木の枝などの先端。はずえ。こずえ。すえ。うら。
※万葉(8C後)二・一四六「後見むと君が結べる磐代(いはしろ)の小松が宇礼(ウレ)をまた見けむかも」

すえ すゑ【末】

〘名〙
① 草木の上方の末端。また、こずえや枝先など。
※書紀(720)神代下(兼方本訓)「奇(めつら)しき鳥(とり)来て杜(かつら)の杪(スヱ)に居り」
※源氏(1001‐14頃)若菜上「うぐひすの、若やかに、ちかき紅梅のすゑにうち鳴きたるを」
② 物の先端。末端。
※古事記(712)下・歌謡「御峰(みを)の竹を 掻き刈り 末(すゑ)押し縻(な)ぶる如(な)す」
※竹取(9C末‐10C初)「毛のすゑには金の光し、ささやきたり」
③ 山のいただき。山頂。また、山の奥。
※書紀(720)斉明二年(北野本訓)「宮の材(き)(たた)れ、山の椒(スヱ)(うつも)れたり」
④ 道や野のはて。はずれ。
※新古今(1205)秋上・三七八「むさしのやゆけども秋のはてぞなきいかなる風か末に吹くらん〈源通光〉」
⑤ 子孫。あなすえ。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「もののたがひ目ありて、そのむくいにかくすゑは無きなり」
※二十五絃(1905)〈薄田泣菫〉矢馳使の歌・あまくだり「伊弉諾(いざなぎ)の裔(スヱ)、人の子ら、ながき嘆(なげき)のなからめや」
⑥ 将来。未来。ゆくすえ。のち。
※書紀(720)武烈即位前・歌謡「大太刀を たれはき立ちて 抜かずとも 須衛(スヱ)はたしても 会はむとぞ思ふ」
⑦ ある期間の終わり。おわり。末期。
※霊異記(810‐824)下「七日の頭(スヱ)に到りて、肉団(ししむら)開敷(ひら)きて百の童子有り〈真福寺本訓釈 頭 数恵爾〉」
⑧ 生涯の終わりの時期。晩年。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「残りとまれる齢(よはひ)のすゑにもあかず悲しと思ふこと多く」
⑨ 道義や政治、風俗、財産などの衰えた世。末の世。
※光悦本謡曲・当麻(1435頃)「彌陀の教へをたのまずは、末の法、よろづ年々ふるまでに余経の法はよもあらじ」
⑩ 月末。下旬。
※幸若・夜討曾我(室町末‐近世初)「時に建久四年、五月のすゑのいつの夜の、天はくらしと申せども」
⑪ 時間がかなりたったあと。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「むげのすゑに参り給へりし入道の宮に」
⑫ 物事の行なわれたあと。結果。また、なごり。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「さらばかうにこそはと打ち解け行くすゑにありありて」
⑬ 人の行ったその方向。これから行く方向。
※今昔(1120頃か)二三「飛ぶが如くに迯(にげ)けるを、人末に多く走合て捕(とらへて)打伏せて縛て」
⑭ 複数の子のうち、いちばん年少の子。末子。
※源氏(1001‐14頃)柏木「かく心ことなる御腹にて、すゑに出ておはしたる」
⑮ 幼少。
※源氏(1001‐14頃)絵合「すゑの君だち思ふさまにかしづき出だして見むとおぼしめすにぞ」
⑯ 末座。末席。下座。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「みこたちの御座のすゑに源氏つき給へり」
⑰ 短歌の下の句
※伊勢物語(10C前)六九「かち人の渡れど濡れぬえにしあれば、と書きて、すゑはなし」
⑱ 文や単語の終わり。文末や語尾。
※源氏(1001‐14頃)椎本「『色変はる袖をば露の宿りにてわが身ぞさらにおき所なき、はつるる糸は』とすゑは言ひ消ちて」
⑲ 後編。
※明衡往来(11C中か)「巻上 末」
⑳ もと。起点。
※玉葉‐寿永元年(1182)一一月一五日「明暁寅刻虧初、辰刻復末」
㉑ 宮中、将軍、大名などにつかえた女中。おすえ。
※看聞御記‐永享七年(1435)一二月二六日「得選女官六人夜参。召末給酒」
㉒ 下等。下級。また、そのもの。
※浮世草子・好色一代男(1682)八「末(スヘ)の傾城四人まいりて」
㉓ 主要でないこと。
㉔ 下流。川下。しも。
※梁塵秘抄(1179頃)二「石清水流れのすゑぞたのまるる心もゆかぬ水屑とおもへば」
㉕ 神楽歌を奏するのに神座に向かって右方の座席。また、そこにすわる奏者。末方。末方の主唱者である末拍子(すえびょうし)にもいう。また、その受持ちの歌の部分。
※神楽歌(9C後)採物「〈本〉榊葉の 香をかぐはしみ〈略〉〈末〉神籬の 御室の山の 榊葉は 神の御前に 茂りあひにけり」
㉖ 七、または八をいう、呉服屋仲間の符丁。

まつ【末】

[1] 〘名〙
① こな。粉末。
※今昔(1120頃か)七「僧、松栢の脂の末を以て法義に令食しむ」
② 中国の旧劇の役割の一つで、端役のこと。
※読本・曲亭伝奇花釵児(1804)序「開場事を始るを、命(なづく)るに末(マツ)(〈注〉スヱ)ここにいふ立役すぢし也。序びらきに狂言のすぢをいふ をもてし」
[2] 〘接尾〙 月や年など、ある期間の終わりにあたる時期。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉十二月暦「毎年末(マツ)予算案の編成をまって」

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