デジタル大辞泉 「付く」の意味・読み・例文・類語
つ・く【付く/▽附く/着く】
1 あるものと他のものが離れない状態になる。
㋐あるものが表面に密着する。くっつく。付着する。接着する。「ほこりが―・く」「飯粒が―・く」「この
㋑主となるものに、さらに添え加わる。「おまけが―・く」「条件が―・く」
㋒消えないであとが残る。印される。「歯形が―・く」「傷が―・く」「しみが―・く」
㋓ある性質・能力などがそなわる。「知恵が―・く」「身に―・いたしぐさ」
㋔ある物事・状態・作用などが新たに生じたり、増し加わったりする。「電話が―・く」「味が―・く」「はずみが―・く」
2 (着く)あるものが他のものや他の所まで達する。
㋐到着する。「手紙が昨日―・いた」「目的地に―・く」「定刻に―・く」
㋑一部分がある所に届いて触れる。「船底が海底に―・く」「枝が伸びて塀に―・く」
㋒ある場所を占める。位置する。「守備位置に―・く」「席に―・く」
3 あるもののそばに寄ってそい従う。
㋐一緒になって行く。あとにつづき従う。「先頭ランナーに―・く」「彼のやり方には―・いていけない」
㋑その立場に心を寄せて行動を共にする。味方になる。「有利な側に―・く」「何かというと母親に―・く」
㋒そばを離れずにいる。いつもそばにいて世話をする。「護衛が―・く」「看護師が―・く」
㋓頼りになる、または助けてくれる者が背後にいる。「スポンサーが―・く」
㋔寄り集まる。たかる。「果物に虫が―・く」
㋕あるものに沿う。
「急いで
4 ある働きが活動を始める。
㋐働きが盛んになる。「食欲が―・く」「精力が―・く」
㋑(「点く」とも書く)燃えはじめる。また、あかりがともる。電気器具などが作動する。「火が―・く」「電灯が―・く」「テレビが―・いている」
㋒病気にかかる。感染する。「ばい菌が―・く」
㋓(「憑く」とも書く)乗り移る。とりつく。「ものに―・かれたような目」「
㋔五感にとらえられる。意識・知覚がはたらく。「よく気の―・く人」「目に―・く広告」「高慢さが鼻に―・く」
㋕植物が根をおろす。根づく。「挿し木が―・く」
5 ある定まった状態がつくられる。
㋐解決する。まとまる。落着する。「話が―・く」「勝負が―・く」
㋑ある名前や値段になる。「愛称が―・く」「高値が―・く」
㋒あることの前提・結果のもとでは、その値段になる。「一つ百円に―・く」「結局は高く―・いた」
㋓意志が固まる。「決心が―・く」
6 偶然などがうまく味方して、都合よく事が運ぶ。運が向く。「今日は―・いている」
7 ある物事に付随して、別の物事が起こる。
「風に―・きてさと匂ふがなつかしく」〈源・蓬生〉
8 病気にかかる。感染する。
「月ごろ御やまひも―・かせ給て」〈大鏡・道隆〉
9 (動詞の連用形について)動作・状態の激しい意を表す。「しがみ―・く」「食い―・く」
[可能]つける
[動カ下二]「つ(付)ける」の文語形。
[下接句]悪銭身につかず・足が地に着かない・足が付く・足元に火が付く・油紙へ火が付いたよう・板に付く・生まれもつかない・海の物とも山の物ともつかない・襟に付く・襟元に付く・
[類語](1)くっつく・ひっつく・へばりつく・こびりつく・付ける・触れる・吸い付く・焼き付く・焦げ付く・吸着/(2㋐)届く・至る・立ち至る・辿り着く・来る/(2㋒)座る・掛ける・腰掛ける・腰を下ろす・座する・跪く/(3)従う・随行・お供・随伴