ラ-サンティシマ-トリニダード-デ-パラナとヘスース-デ-タバランゲのイエズス会伝道施設群(読み)ラサンティシマトリニダードデパラナとヘスースデタバランゲのイエズスかいでんどうしせつぐん

世界遺産詳解 の解説

ラサンティシマトリニダードデパラナとヘスースデタバランゲのイエズスかいでんどうしせつぐん【ラ-サンティシマ-トリニダード-デ-パラナとヘスース-デ-タバランゲのイエズス会伝道施設群】

1993年に登録されたパラグアイ世界遺産(文化遺産)で、首都アスンシオンの東南エンカルナシオンの近郊に位置する。17~18世紀に南米に渡ったイエズス会宣教師たちは、理想郷を建設するために、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンにまたがるパラナ川流域に先住民をキリスト教化するため、トリニダード、タバランゲ、サン・コスメ・イ・ダミアンなど、「レドゥクシオン」という教化集落を次々と築いた。これらの施設は、宣教師が先住民と生活を共にしながら宗教教育を施した場で、人里離れた地域にあるため、暮らしに必要なものは自力でつくらなければならなかった。宣教師たちは礼拝堂などの建物や装飾、聖像、宗教画、儀式用の聖具や衣服などを先住民と共につくりながら製作技術を伝授した。パラナ川流域には奴隷刈りから逃れるために先住民のインディオ・グアラニー族が集まり、約20万人が暮らすようになって、強い影響力をもつようになると、スペイン国王は警戒心を高め、1767年にイエズス会士を追放した。指導者を失ったレドゥクシオンは衰退し、廃墟となった聖堂住居広場を囲んで並んでいるが、なかでも保存状態がいいトリニダードの遺跡は赤レンガ造りで芸術的な価値が高い。布教に燃えた宣教師たちの夢の跡ともいえる教化集落の歴史的な価値が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はJesuit Missions of La Santísima Trinidad de Paraná and Jesús de Tavarangue

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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