日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラザースフェルド」の意味・わかりやすい解説
ラザースフェルド
らざーすふぇるど
Paul Felix Lazarsfeld
(1901―1976)
アメリカの社会学者、社会心理学者。オーストリアの出身。ウィーン大学講師を経て1933年渡米し、1940年以来、長くコロンビア大学教授を務めた。1963年にはアメリカ社会学会会長に選ばれている。コロンビア大学応用社会調査研究所を主宰して、マス・コミュニケーションや個人間のコミュニケーション過程の研究に従事したが、同時に、調査方法の改善にも努め、データを収集し分類する記述的調査にすぎなかったものを、分析的調査にまで高めたことで知られている。彼が開発し確立した調査・分析法としては、たとえば、クロス集計表のエラボレーションelaborationとよばれる因果分析法、パネル調査法、潜在構造分析法などがある。主著に『社会調査の言語』(共編著。1955)、『パーソナル・インフルエンス』(共著。1955)、『潜在構造分析』(共著。1968)などがある。
[原 純輔]
『E・カッツ、P・F・ラザースフェルド著、竹内郁郎訳『パーソナル・インフルエンス』(1965・培風館)』▽『P・F・ラザーズフェルド著、西田春彦他訳『質的分析法 社会学論集』(1984・岩波書店)』