ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラジャパクサ」の意味・わかりやすい解説
ラジャパクサ
Rajapaksa, Mahinda
スリランカの政治家。大統領(在任 2005~15)。上流カーストの大家族のもとに生まれ,仏教徒として育った。1974年コロンボ・ローカレッジで法学の学位を取得。1970年父のあとを継ぎ,当時スリランカ史上最年少の 24歳で国会議員となる。1977年に落選したのち弁護士業に専念。1989年国会議員に復帰。中道左派の政治家としてチャンドリカ・クマラトゥンガ大統領のもとで 1994~2001年労働大臣,1997~2001年漁業・水資源大臣を務め,2004年首相に任命された。2005年大統領選挙に統一人民自由連合から立候補して当選。政府は,タミル人武装組織タミル・イーラム解放のトラ LTTEと不安定な停戦協定を結び,和平交渉のさなかにあったが,対 LTTE強硬派のラジャパクサは 2006年,LTTE壊滅を宣言した。2009年政府軍が LTTEを制圧し,1983年に勃発した内戦は終結を迎えた。1期目には商業と観光業の発展,およびインフラストラクチャーの開発に力を注いだ。LTTE制圧で高まった人気を追い風に,2011年の任期切れを待たずに 2010年に前倒し大統領選挙を実施。LTTEとの最終戦争で政府軍を指揮したサラット・フォンセカ前陸軍参謀長を破って再選された。2期目も経済成長を維持したが,外国からの投資に依存する政策は対外債務の急激な上昇を招き,また,権力の濫用への懸念などから 2014年頃には支持率が低下,2015年の大統領選挙で敗れた。
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