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…しかし,墓室および廊下には,盗賊に備えて密閉のための巧妙な装置が発達したことや,葬祭神殿などの付属施設が大規模になったことなどに特色がある。ヘロドトスの伝えるラビュリントスは,ハワーラHawāraにあるアメンエムハト3世の葬祭神殿であった。葬祭神殿以外の神殿では,横長広間の前室の奥に三つ,七つ等の小神室が並列するものや,横長広間に列柱を建て,その奥に,前後に開口部をもつ神室を独立に設け,神室を取り巻く廊下に多くの小室を開く形式が見られる。…
…また,下水溝,上水道,水洗便所もあり,階上にはバルコニーやロッジア(涼み廊下)があった。宮殿の目的は威厳や秩序よりも生活の快適さを第一とする便宜主義にあったため,多くの小部屋や廊下や階段が複雑な複合建築をなし,後に〈ラビュリントス(迷宮)〉の伝説になる。なお,ラビュリントスの本来の意味はラビュリス(双斧)殿である。…
…弟子にした甥が師をしのがんばかりの技量を示したため,これをアクロポリスから突き落として殺し,クレタ島の王ミノスのもとに逃れた。ここで彼は海神ポセイドンの雄牛に恋した王妃パシファエのために木製の雌牛を作ってやり,彼女が人身牛頭のミノタウロスを生むと,この怪物を入れておく迷宮ラビュリントスを造った。その後,アテナイの王子テセウスが怪物退治にやってきたときには,テセウスに恋した王女アリアドネに,王子が迷宮内で道に迷わぬための糸球の策を授けた。…
…ギリシア語のラビュリントスlabyrinthosが語源。古代の著述家たちがエジプトなどの神殿や宮殿にありとした複雑な構成の建物。…
※「ラビュリントス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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