ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラベッソン=モリアン」の意味・わかりやすい解説
ラベッソン=モリアン
Ravaisson-Mollian, Jean Gaspard Félix Lacher
[没]1900.5.18. パリ
F.ラベッソンとして知られるフランスの哲学者。 F.シェリング,V.クーザンに師事。 1838年レンヌ大学教授,40~60年公共図書館監督官,以後高等教育視学官。 70年からはルーブル博物館古代部門の保護官を兼ねた。『習慣論』 De L'habitude (1839) で時間と空間の区別を根底に生命と物質,自然と必然,活動能力と悟性を論じ,ベルグソンに大きな影響を与えた。政府の求めで書かれた『19世紀フランス哲学についての報告』"La Philosophie en France au XIXe siècle" (68) は当時の哲学傾向の全貌の概論であり,これはブートルー,ベルグソン以下今日まで続く新しい唯心論学派の宣言ともいうべき位置を占め,その後のフランス哲学の動向にとって記念碑的著作となった。ほかに『アリストテレス形而上学試論』 Essai sur la Métaphysique d'Aristote (2巻,37,46) もある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報