日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラベンダー油」の意味・わかりやすい解説
ラベンダー油
らべんだーゆ
lavender oil
シソ科の植物ラベンダーなどの花穂の水蒸気蒸留により収油率0.7~0.85%で得られる精油。また、溶剤抽出によって1.5~2.2%のコンクリートが得られ、アルコール処理により50~60%のアブソリュート(絶対花精油)が得られる。この精油成分は酢酸リナリル、リナロール、3‐オクタノン、ラバンジュロールである。この植物の主産地はフランスであるが、イタリア、イギリス、旧ソ連地域、オーストラリア、北アメリカ、日本(北海道)などで栽培されている。ラベンダー油の品位は酢酸リナリルの含有量によって定められ、市販の商品には酢酸リナリル含有量を明示してあり、種々の等級がある。
ラベンダー油は重要な香料であり、香水、化粧水、オーデコロン、ポマード、せっけんなどのあらゆる分野に広く応用される。コンクリートおよびアブソリュートは、おしろい、バスソルト、ひげそりクリームなどに用いて効果がある。
[佐藤菊正]