日本大百科全書(ニッポニカ) 「リオ・ティント」の意味・わかりやすい解説
リオ・ティント
りおてぃんと
Rio Tinto
世界大手の鉱物資源企業グループ。イギリスに本拠を置くRio Tinto plcと、オーストラリアに本拠を置くRio Tinto Ltd.の2社による二元上場会社。1995年設立。
1873年にスペイン南部のリオ・ティント銅鉱山の開発を目的に設立された英国資本であるRio Tinto Co.と、1905年にオーストラリアの鉱業都市ブロークン・ヒルBroken Hillでの亜鉛鉱山の開発を目的に設立されたオーストラリア資本であるConsolidated Zinc Corp.の2社が、1962年に合併し、イギリスにRio Tinto-Zinc Corp.を設立、オーストラリアにConzinc Riotinto of Australia Ltd.を設立した。両社はその後社名変更され、Rio Tinto-Zinc Corp.はRTZ Corp.に、さらに二元上場会社として統合後の1997年にRio Tinto plcとなった。Conzinc Riotinto of Australia Ltd.の社名はCRA Ltd.に、さらに1997年にRio Tinto Ltd.となった。
オーストラリアと北米を中心に、ヨーロッパ、南米、アジア、アフリカでも事業を展開している。2007年にカナダのアルミニウム大手のアルキャンAlcan Inc.を買収し、子会社リオ・ティント・アルキャンを設立したことにより、アルミニウム生産が世界一となった。鉄鉱石、石炭、銅、ウラン、ダイヤモンド、チタンなど多種類にわたる鉱物の採掘・生産を行う。
2010年の売上高は約603億ドル、純利益は約143億ドル、従業員数は世界40か国で約6万人であった。
[編集部]
リオティント
りおてぃんと
Minas de Ríotinto
スペイン南西部、アンダルシア地方ウェルバ県の鉱山町。正称ミナス・デ・リオティント。シエラ・モレナ山脈南西部にある黄鉄鉱鉱山地域の標高420メートルに位置する。鉱山は町の西方にあり、古来、銅鉱山として有名で、その開発はフェニキア時代と考えられている。一時廃鉱となっていた時代もあるが、18世紀からおもにイギリスによって採掘され、1954年にスペイン主体の企業がつくられた。現在は銅資源は枯渇しておもに黄鉄鉱を採掘しており、産出量は黄銅鉱も含めて年約280万トンである。黄銅鉱は硫酸などの製造に利用される。露天掘りにより深さ200メートルまで階段状に掘り下げられている。
[田辺 裕・滝沢由美子]