ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リキエル」の意味・わかりやすい解説
リキエル
Rykiel, Sonia
[没]2016.8.25. パリ
フランスの服飾デザイナー。シックで人目をひき,かつ着心地もよく実用的なプレタポルテを生み出した。ファッショナブルなニットウエアのコレクションや大胆な色や図形を使ったデザインで知られる。1953年にブティック経営者と結婚したことからファッションへの関心を強めた。妊娠中にデザインしたマタニティウエア(→マタニティドレス)が評判になり,続いてデザインした「プアボーイ poor boy」セーターも大ヒット,1963年に雑誌『エル』の表紙を飾った。1967年『ウィメンズ・ウエア・デイリー』誌から「ニットの女王」と称された。1968年,自身のブランドを立ち上げ,ブティックをオープン。裏地のない服や縫い目を見せるデザイン,文字をあしらったデザインなどを他にさきがけて取り入れた。困難に直面しながらも自立して個性豊かに生きる,自分のような女性のための服をデザインすると公言した。1990年に旗艦店をオープン,やがて取扱店は世界各地に 1000店舗以上を数えた。ロバート・アルトマン監督の映画『プレタポルテ』Prêt-à-Porter(1994)のモデルにもなった。2008年レジオン・ドヌール勲章,2012年フランス芸術文化勲章,2013年メリット勲章を授与された。
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