翻訳|knitwear
編物で作られた衣類の総称。手編ニットhand knit fabric,横編ニットflat knit fabric,丸編ニットcirculer knit fabric,経編ニットwarp knit fabricがある。織物は経糸と緯糸の2系列の糸を直角に交錯させて作ったものであるが,編物はループloop(編環)の連綴によってできる布地であり,それを織物と同様に裁断し,縫製して製品を作る生地編と,直接パターンを基礎にしそれにあわせて編目を増減して編み上げ,その編地片をかがり合わせて製品とする成型編がある。前者の製品はカット・アンド・ソーン・ニットウェア,後者はフルファッションド・ニットウェアともいい,横編のみに用いられるが布製品のような裁ち目がなく,綴じ合わせても綴じ目に厚みが感じられない。また成型して編むが,生産能率を上げるために一部分の衿ぐりや,袖山などをカットする両方の手法をとり入れた半成型製品がある。ニット製品の編地を組織上から見ると,経編で作られたものと,緯編(横編,丸編)がある。横編は成型できるが経編はできない。経編はトリコット,ラッセル,ミラニーズの機械により区分され,横編に比べて伸縮の度が弱い。女性用下着のランジェリーが主流で,ラッセルではレース・ランジェリーなどが作られる。
衣服は古くは織物のみによって作られてきたが文化の発展,生活様式の合理化に伴い,性能や機能性がより要求されるようになった。その要求を満たすことのできるものとして伸縮性,多孔性,柔軟性,嵩高性,軽量性,密着性,防水性,成型性(横編のみ)などの特徴をもつニットウェアがあらわれてきた。ニットウェアは製品面からみても,準備工程が簡単で造形が容易であり,量産も可能なので布帛(ふはく)の製品に比べて生産性が高い。ニットウェアを原料から分類すると,綿ニット,毛ニット,絹ニット,人絹ニット,アクリルニット,ナイロンニット,エステルニットがある。また混紡糸,飾り撚糸などを用いたものも加えられる。第2次世界大戦後,当初は手動機によるセーターの製造が中心であったが,1962年以降,編機は自動機時代へと移行し,丸編機ニットが合成繊維の開発に伴い製布開発の主流として注目を集めてきた。それまではかさばったバルキー・アウトウェアとして冬期のみであったのが,ファイン・ゲージ(細かいゲージ)の使用が可能となったため,年間を通じスーツ,ドレス,コート,スポーツウェアなどあらゆる方面に適応するニット製品が生まれてきた。肌着,セーターの総称的呼名のメリヤスにかわり,ニットウェアという言葉が使われるようになった。これらを製作するための人工素材の開発と,機械技術の進歩により,織物の歴史に比べ,短い年月で種類や用途が拡大され,またモード的価値についての認識もされるようになった。
→編物 →メリヤス
執筆者:城川 美枝子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加