レジオン・ドヌール勲章(読み)レジオン・ドヌールくんしょう(英語表記)Ordre de la Légion d'honneur フランス語

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レジオン・ドヌール勲章」の意味・わかりやすい解説

レジオン・ドヌール勲章
レジオン・ドヌールくんしょう
Légion D'honneur

フランスの最高勲章。正式名称 Ordre Royale de la Légion D'honneur。1802年,第一執政時代のナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世)によって制定された。当初,功労のあった軍人および一般市民に与えられる名誉勲位として制定され,対象者が自由・平等を支持すると誓えば出自も宗教も問わず授与された。ナポレオンの意思は今日も受け継がれ,男女を問わず,フランス国民のみならず外国人にも授与され,民間人,軍人,階級,出自,宗教にかかわらずあらゆる分野の功労者に授与される。大統領に任命された賞勲局総裁の指揮のもと,議定官会議が受章者の選考などの運営にあたる。大統領は名誉総裁を務める。勲章はグランクロワ(1等),グラン・ドフィシエ(2等),コマンドゥール(3等),オフィシエ(4等),シュバリエ(5等)の 5等級に分かれる。勲章のデザインの変遷にはフランス史上の栄枯盛衰が反映され,当初勲章の中央にナポレオンの頭部が描かれていたが,共和制になってから女性の横顔に代えられた。(→栄典制度

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レジオン・ドヌール勲章」の意味・わかりやすい解説

レジオン・ドヌール勲章
れじおんどぬーるくんしょう
Ordre de la Légion d'honneur フランス語

フランスの最高の勲章。軍功のあった人、社会に功績のあった人に与えられ、1802年ナポレオン1世が制定し、共和制の現在にあっては大統領が授与する。グランクロア、グランゾフィシェ、コマンダー、オフィシエ、シュバリエの五階級に分かれ、他の勲章のような表彰の意味合いより、身分栄誉を与える意味が強く、現役軍人が受章した場合は年金が支給される。外国人にはおもにシュバリエが与えられ、日本人も多数受章している。赤いリボンに下がる正章は共制政以降、勲賞の中央に彫ってあったナポレオンの横顔が女神像に取り替えられた。

[梶 龍雄]

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