エル(読み)える(英語表記)El

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エル」の意味・わかりやすい解説

エル(女性週刊誌)
える
Elle

フランスで最初の女性週刊誌アシェット社から1945年11月21日号が創刊号として発刊された。初代編集長のエレーヌ・ゴルドン・ラザレフHélène Gordon-Lazareff(1909―88)の下で、女性モードや手芸家事などの雑誌として広く知られ、また、若い女性のための総合雑誌としても高い評価を受け、固有の「エル・スタイル」をつくりだした。版元であるアシェット企業合併を受けて、1997年以降は巨大コングロマリット、ラギャルデール・グループLagardère Groupe傘下のアシェット・フィリパッキ・メディアが発行元となっている。また、1985年にアメリカ版、イギリス版を相次いで発刊して以来、1999年のトルコ版発刊までに37か国の国際版をもつに至っている。日本ではマガジンハウスの『アンアン』が提携誌として発行されたのち、1982年(昭和57)日本版『エル・ジャポン』も創刊された。89年(平成1)2月に一時廃刊となったが、同年7月タイム・アシェット・ジャパン社(99年11月よりアシェット婦人画報社)から創刊された。本国版の発行部数約22万部(1998)。

[矢野浩三郎]


エル(古代西セム人の主神)
える
El

東地中海岸に住んでいた古代西セム人の主神。とりわけ北シリアの古代都市ウガリトの主神として名高く、ウガリト出土文書にしばしば登場するほか、ユダヤ教イスラム教にもその名残(なごり)が認められ、語源的にはユダヤ教の神エローヒーム(ヤーウェ神の別称)、イスラム教の神アッラーフ(アラー)と同系統である。また、エルはセム語上方を意味する語と関係づけられ、しばしば「上方の神、天神」と解釈されているが、力強さを意味する子音語根から出たとする説もある。

矢島文夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エル」の意味・わかりやすい解説

エル
El

セム語において神をさす最古の語。ウガリト語テキストでは「被造物造物主」とか,「神々の神」と呼ばれ最高神であることを示している。ヘブライ語では神をさす普通名詞だがエロヒムほど一般的ではなく用法区別がある。

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